40代女性:左肩の痛みと左手の指も動きづらくなっており、手の症状の改善に伴って肩の痛みも減った症例

主訴

左肩の痛みで1年以上他院の整体に通っていたが症状が改善しきらず、仕事が忙しくなった時につらくなるため来院されました。

施術内容と経過

左僧帽筋と肩甲挙筋を押すと痛みがあり、両手を上げたときにも左手が右肩よりも手が上がらなかった。

特に左肩関節外転、外旋で可動域の制限がありました。

初回施術(発症初期)

左肩に痛み。左肩関節屈曲、外転、外旋で可動域の制限がありました。

仰向けで寝ていても左肩だけベッドから浮いているような状態。
初回では特に首、左肩、背中を中心に施術を行いました。
施術後は可動域が改善し、頸部の動きもよくなりました。

2回目の施術:1週間後

前回の施術から痛みが少し軽減していたが、週末にかけて元通りになってしまった。
施術にも効果があると判断して手技療法を継続(筋膜リリース)
仕事でのストレスが強いと考え、座っているときに骨盤を立てるように指導。
また、肩回りのストレッチを伝えて経過を見る。

3回目の施術:2週間後

痛みは2回目より少し軽減したが、初回の痛みを10としたら8くらいまで改善。
やはり仕事中に戻ってしまうとのこと。

改めて仕事中の動作を確認。
デスクワークで特にキーボード、マウスを使った動作が多いとのこと。

これらの動作では手関節と指の関節を伸展させる可動域が必要なため左右差を確認。左人差し指の伸展に可動域制限を見つけた。

施術後はほとんど症状がなくなるため前回と同じ徒手施術を行い、セルフストレッチとして指のストレッチを指導した。

4回目の施術:3週間後

指のストレッチを始めてから肩の痛みは改善。
初回を10としたら3くらいまで減った。
肩に負担をかけている原因を見つけられたため、継続してストレッチするように指導。徒手施術は効果があるため継続した。

体幹筋力、殿筋の筋力が低下しているため、肩の筋膜が再度硬くなる可能性があり、運動と合わせて徒手施術を継続していくこととなった。

考察

ポイントとして考えたのは肩の痛みが1年以上たっても改善していないところでした。
問題の場所は左僧帽筋と肩甲挙筋の2つで、仕事中に負担がかかりすぎることで痛みを繰り返している状態だと考えていました。

ただ、姿勢をよくしても補助するようにタオルで骨盤を立てても改善しないため、ほかに原因があると考えました。

今回は左人差し指を伸展させるときに可動域制限があった。
左人差し指が伸展しないと手首を余計に背屈する必要があり、腕橈骨筋、上腕筋を使いすぎる形となる。

これらが働くと肘が下がると肩甲骨を下に引き下げてしまうため左肩が下がってしまい左僧帽筋、肩甲挙筋の使い過ぎになったと考えました。